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審査員コメント〜今年のA.A.T.M.に向けて〜

A.A.T.M.一次審査を終えた審査員たちから熱いコメントをお寄せいただきました。

天野太郎 Taro Amano(横浜美術館主席学芸員) 
閃きによって生まれる表現も、継続することでその深度がより増すことでしょう。まだ3回目とはいえ、回ごとに表現の傾向は変化していますが、選ばれた作品には同じような力強さと豊かな表現の自由がありました。

飯田志保子 Shihoko Iida(東京オペラシティアートギャラリーキュレーター)
今年はいくつかの傾向に収まらない個性的な作品が散見されました。自分の表現に必要なものが何かを見極め、作品の仕組みそのものから発明していくような試みを、A.A.T.M.と次世代を担う作家に期待しています。

後藤繁雄 Shigeo Goto(京都造形芸術大学教授)
優等生的作品より、荒けずりであっても可能性の感じられる作品が多いのがA.A.T.M.の特徴。しかし、未完成がよいのではない。コンセプトやスタイル、マテリアル、表現形式など、未踏領域に少しでも勇気を持って踏み込んで欲しい。そして、蛇のようにしぶとく生き、やり続けよう。

木幡和枝 Kazue Kobata(東京芸術大学先端芸術表現科教授)
街路は視線のハイウェイであり、生理の交配地帯だ。今年の春の街路は焦燥と疲弊、ときに絶望の通り道となる。その視線と身体に応えられるか? 諸君の善意あるいは悪意の結晶である作品は?

小山登美夫 Tomio Koyama(小山登美夫ギャラリー代表、明治大学国際日本学部特任准教授)
アーティストそれぞれが自分たちに合った独自の表現方法を獲得してきたと思います。その為には深く自分を掘り下げねばなりませんし、同時に外部を見ることも重要です。その反復から生まれたギリギリの表現こそ歴史に通ずるのです。

佐藤直樹 Naoki Sato(ASYLアートディレクター、多摩美術大学造形表現学部デザイン学科准教授)
学生としての制作の集大成となる卒業制作。しかしそれはまだどこに向かっているのかもわからない旅の途上の不安定な歩みを示すものと言っていいのではないか。だからこそ宿るピュアなものに目を凝らしたい。

高橋明也 Akiya Takahashi(三菱一号館美術館館長)
去年に較べて少女系、カワイイ系の作品が減り、全体に深みが増した感じがします。表現手段はヴァラエティに富むようになってきた一方で、各作品に流れるトーンは共通してきた印象もあり、この「アワード」の個性が出て来たということなのかもしれません。あらゆる意味で沈滞したこの時代にあっても、若い作家たちの表現意欲は衰えていないことを知って、逆に勇気づけられる審査会です。