審査員

天野太郎(横浜美術館主席学芸員)

現代の美術において過去の様式にとらわれないユニークな表現が多々見られること、そして世界で活躍する作家の若年化もまた今の特徴だろう。まさにこうした中で、思う存分その才能を発揮してほしい。

飯田志保子(東京オペラシティアートギャラリーキュレーター)

予想外の反響に驚いた初回。でもA.A.T.の本当の始動はここから。目に見える成果を性急に求めるより、まずは既存のシステムに浸食していく変化を楽しみたい。参加作家には、プロモーションの誘惑に対抗していける意志と持久力をもってこの場に臨むことを期待します。

後藤繁雄(編集者/クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学ASP学科教授・学科長)

無名時代の村上隆や奈良美智を、その後、世界的な評価を得るアーティストに成長すると、当時、誰が言い得ただろう。アーティストの発掘、育成は、才能を選ぶ側の判定力、責任が実に試されるリアルな場でもある。A.A.T.が本当に「日本のアートの未来」に関わる大切なしくみに成長できるよう、必死にやってみたい。

木幡和枝(東京藝術大学先端芸術表現科教授)

現代美術市場があたかも活気を呈しているかのようなチマタの表層。皮肉にもその現在、人間活動、世界の動向、宇宙の摂理が発している警告は、「アート」への本源的な問い直しだ。形式以前の、制度以前の,商品化以前の創造衝動。それはどこから来るのか。孵卵器から広いカオスの渦中へと踏み出すアーティストたちの作品は、そうした問いかけをいやでも掻き立てる。

小山登美夫(小山登美夫ギャラリー代表)

アートは産業なのか? アーティストは職業なのか? アートが安定した産業にもなってほしいし、アーティストとして生活が成り立ってもほしい。しかし、そんなことは関係なく自分の欲求に正直なものをつくること。それが、つねに新たな価値をつくり、世界を作り替えていく。そのことが本当はとても大事なのだと思います。

佐藤直樹(ASYLアートディレクター、多摩美術大学造形表現学部デザイン学科准教授)

これからの時代にふさわしい表現とはどのようなものなのか。誰もがそれを見たいと思っている。が、それはまだない。これから生み出されるものだからだ。生起したばかりで初々しく流動するA.A.T.が、そのような表現のための場になることを期待したい。

高橋明也(三菱一号館美術館館長)

21世紀を生きる我々は「都市」というものと密接な関わりをもって生きる他はない。他方、「芸術(アルテ)」こそは人間を人間として際立たせている根源的な衝動である。東京の中心で行われるアートアワードトーキョーでは、これら二つの与件が未知の緊張関係を作り出してくれるだろう。

長谷川祐子(東京都現代美術館事業企画課長)

アーティストには一人ではなれません。誰かの眼と出会い、誰かの言葉や感覚と出会うことでアートは生まれ、気がついたらアーティストと呼ばれるようになるのです。作品待っています。

ゲスト審査員

やなぎみわ(美術作家)

神戸市生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了、93年エレベーターガールをモチーフとした作品で注目を集め、その後も「マイグランドマザーズ」など女性をモチーフにした写真を中心にした作品を発表。ドイツ・グッゲンハイム美術館、原美術館などで個展を行なうなど、国内外で高く評価されている。現在、ヒューストン美術館(テキサス)で個展開催中。